ロンドン不動産購入は長い道のりだった!パート2

さてこの前のブログでロンドンの不動産を購入した事について書いたのですが、今回は時系列にプロセスを書いていきたいと思います。

まずこの物件を内覧したのが去年2024年の9月上旬でした。他の物件を内覧している時に同じエリアにある物件がもう一つ昨日出てきたので見せてあげると不動産エージェントが言うので、ついでに見せてもらうことにしたのです。

このマンションは以前に息子が内覧に行き、道路の音がうるさすぎるという事で、既に候補から外していたのですが、まあ失う物もないので見てみる事にしました。

入ってみると、えっ?意外に静か… おまけに3室もあるし、リビングダイニングに窓が多くて明るい。おまけに最上階で眺めがめっちゃ良い。それでこの値段はないやろうと思いましたが、買うはずだった人が買えなくなり、3ヶ月ぶりにマーケットに戻す時に、このエージェントが値段を下げた方が良いとオーナーに言って、なんと5万ポンドも下げさせたところでした。5万ポンドってほぼ1千万円やで… この価格帯の不動産で普通は一気にそこまでは下げない。今から考えると、このエージェントの貢献は後にも先にもこれだけでした。

ロンドンのゾーン2の駅近3LDKで£520,000 から下げて£470,000… 買うしかないやろという事で即決。エージェントには購入の意思を伝えました。もちろんこれ以上は値切る事は不可能だと思ったので、そのままの値段でオファー

次にする事はローンの確保なので、シンガポールからコンタクトを取っていたHSBC UK の担当者に連絡して、この物件を買いたいと伝えました。実はうちの旦那が長年使っていたバークレー銀行の口座が海外在住者の口座は保持できないと言ってきて、代わりにHSBC UKの口座を作ったばかりだったのですが、ローン申請のための本人確認が必要と言うことで、まだイギリスにいたので、すぐにHSBC UKのブランチに行き、本人確認を済ませました。イギリス旅行中にできたのはここまででした。

シンガポールに帰って来てから、イギリスのHSBCの担当者とローンの話を進めていたのですが、ここで問題が起こったのが9月中旬でした。

以前ロンドンの高層マンションで火災が起こり、ビルの壁を伝わり火が周り大惨事になった事があり、それ以降にビルの外壁の安全性をレイティングしなければならないというEWS1という法律ができました。EWSはExternal Wall Fire Review という意味です。 この物件はそのレイティングの最低ランクB2だったのです。この件はエージェントから聞いていたのですが、調べてみると、このランクになった理由は、1階部分にあるスーパーのスプリンクラーを交換する必要がある事と、外壁はレンガで耐火性があるのですが、その中に使っているマテリアルに燃える可能性があるとの事でした。

不動産に出物はないと言いますが、破格値にはやはり理由があったのでしょう。しかしイギリス全土でものすごい数の不動産がこのレイティングになっており、不動産売買の足枷になっているようです。それは銀行がこのレイティングの不動産にローンをおろさないからだそうです。ただ最近は銀行側もそんな事は言ってられないのか、いくつかの銀行が態度を軟化させているとの事で、HSBCはそんな銀行の一つだったのですが、結局は海外在住者へのローンではそれはできないという事で最終審査で断られました。

そこからローンをおろしてくれる銀行探しが始まりました。シンガポールのOCBCから借りるか、オフショア銀行から借りる手もあったのですが、両方ともローンの利率が7パーセント超えという恐ろしい数字だったので、イギリス国内で探す事にしました。

まずこのEWS1のB2ランクの不動産にローンをおろしてくれる銀行をネットで調べました。色々な情報をかき集めると出てきたのが、Barclays, HSBC, Lloyds, Nationwide, Natwest, Santanderでした。

その中で海外在住者にローンは出せないと言われたのが、Barclays, Nationwide, Natwestでした。

Santanderは最大4人の連名でローンが組めるという珍しいポリシーがあり、ここに連絡したおかげで、イギリスで働いている子供達の名義を組み込むというアイデアが浮かびました。結果的には、海外在住者にもローンは出せるが、収入として、イギリス国内の収入とイギリス国内外の支出を合わせて計算するという謎のルールと、担当者が素人すぎて交渉が難しく、保留にしたままLloydsに連絡しました。

すると、神とLloydsは私達を見捨てなかったよ!Lloydsに連絡すると、すぐにローン担当者から連絡があり、話し合いの結果、結局、この不動産は子供達の共同名義にして、子供達の名前でローンを組む事にしました。頭金として40パーセントを私達が払う事にしたのですが、シンガポール内でお金を移動しておくと、イギリスでのギフトタックスもかからないという事でした。ここは結構重要なポイントでした。通常イギリス国内で親子間で資産の譲渡があった場合は7年ルールというものがあり、7年以内に譲った側が死ねば最大40パーセント、年々そのパーセンテージが下がっていくシステムになっていて、7年を超えると税金を払わなくてもよくなるらしいので、生前贈与する場合は7年間は意地でも死ねないという事になります^_^ そこでシンガポールにある私と息子の共同名義の口座にまずお金を移し、そこから息子のイギリスの口座へとお金を移動しました。

Lloydsからローンのオファーレターが出たのが10月でした。ちなみにローンの利子はClub Lloyds の口座を開設する事によって0.2%まけてもらって4.31%でした。オファーレターが出たのを確認してから、以前からお願いしていた弁護士事務所に前金の2000ポンドを振り込みました。イギリスの不動産売買は売主も買主も両方弁護士を雇う必要があります。お金のやり取りは全て弁護士を通すので、評判が良く、シンガポールのUOB銀行のパネル弁護士事務所でもあるPCBという事務所にお願いする事にしました。

しかし、ここであてがわれた弁護士が超ジュニアな1年目弁護士でした。最初の書類のやり取りからタイポエラーも多く、家族全員で全ての書類を一語一句チェックする羽目になりました。間違いをしても謝らず、Thank you と返してくるハガネのメンタル!

通常、この時点から2、3ヶ月くらいで売買完了となるらしいのですが、双方の弁護士とアホなエージェントのせいで、ここからが長かった!

まずは子供達の身分証明、給与証明から始まり、購入する不動産に関してのリサーチ、売主側の弁護士に対する質問票などがあったのですが、一番時間がかかったのが売主側の弁護士から質問票の答えをもらう事でした。

売主側の弁護士、やる気ない…

調べるのが面倒そうな質問には全て空欄か I don’t knowで返答してきやがった。I don’t knowってなんやねん!それを調べるのがお前の仕事やろうが〜 それもチョロチョロ小出しで返答してくるし、こういうのって、一つの書類なので普通全部に回答してまとめて戻さんか?? 結局最後まで全部の返答がかえってくることはありませんでした。このenquiriesというのにかかった時間が驚きの4か月!全て売主のクソ弁護士のせいです!

おまけにこの売主の弁護士は売主に連絡もろくにしていなかったようで、12月になって、痺れを切らせた売主が、こんなに時間がかかるなら売るのをやめると言ってきた。

はっ??

こちらはもう既に弁護士にもお金払って話進めている途中なのに何言ってんの?

それもエージェントが、今まで何を聞いても既読無視していたくせに、しれっとWhatsAppで、もう売らないってよというメッセージ送ってきた。どーゆー状況になっとんじゃ〜と怒りの電話をするも出ず、2日くらいしてやっと電話に出やがった。

このエージェントには全てのプロセスをEメールでシェアしていたにも関わらず、売主弁護士の怠慢で質問票の回答が得られていない事も知らず、売主はこちら側の対応が遅いとしびれを切らした模様。

さっさと売主に電話せーと怒鳴り散らしたらビビったエージェントがやっと売主に遅延の理由を説明したようで、1週間くらいして、やっぱり売りますと言ってきた。

当たり前やろ〜ボケっと思ったが、これはチンタラしている場合ではないと思い、毎日のようにこちら側の弁護士にメールを送り、進捗状況を確認した。

本来なら12月末までに決済を終わらせたかったが、結局弁護士事務所が12月22日から2週間のクリスマスホリデーに突入してしまい、1月まで持ち越してしまった。おい、人の一大事に休み過ぎやろ!

というわけで、1月に入り、どこまで進んでるかチェックしたところ、まだ売主の弁護士の回答を二つ待ってますと言う。その二つとは、EWS1で問題になっている外壁の修理をデベロッパーがすると言っているのですが、その確認と、それを証明する直近のレターがあるなら欲しいという事でした。

その資料に関しては既にうちが調べてデベロッパーからゲットした書類を10月に送っていたのですが、その後アップデートされた事は何もなく、まだそんな事言ってんのかと思い、この弁護士の上司である弁護士事務所の代表弁護士に直接、買う方がもう納得して、書類も送っているのに、売主の弁護士から何の返事を待ってるのかと文句を言い、この上司の許可を得て、では契約書を結びましょうとなった。

弁護士費用だけで80万円くらい払ったと思いますが、うちら家族全員で結構な仕事したと思いますよ…

せめて1月中には決済したいという売主の意向もあり、うちも子供達がそれぞれテンポラリーアパートメントに移っていたので、早く済ませたいということで、そこからはペンディング書類のリストを作り、それを一つ一つ終わらせていくプロセスも全て私達が管理していきました。何度も言うけど、これ弁護士の仕事な!

とうとう1月下旬になり、1月31日にコンプリーションするという条件で、契約書の交換をする段階になって、売主がコンプリーションを1、2日早めてくれない?と言ってきた。こっちは確実に1月31日にコンプリーションするために毎日オンラインバンクの限度額ギリギリを送金中で、送金が完了するのが1月29日、一応何かあった時のために、1日余裕をもたせて1月31日と決めたのに、いまさら何を言うてんねんとつき返し、結局1月31日で同意してくれました。

ところが、肝心の1月31日に待てど暮らせど、コンプリーションの返事がこない。

まさか、地面師??うちら詐欺にあったの?

山本耕史の悲壮な顔がよぎる!

イギリス時間の午後になり、やっとこっちの弁護士からの連絡があり、売主側の弁護士事務所の銀行口座がバークレー銀行で、その日にシステムダウンするという大事になっていた。

マジでこのタイミングでこんな事あるんか…

しかも翌日が土曜日だったために、張り切った娘が既に引っ越し屋を手配していた。おいおいどーすんねん!

そこで、イギリスの営業終了時間寸前に、娘の荷物だけでもエージェント立ち会いで入れさせてくれないかと交渉してみた。この時点でシンガポールも売主の住む香港も夜中の1時を過ぎていたが、売主も弁護士事務所への着金は確認できなかったが、こちらからの送金書類は確認できたという事で、鍵の受け渡しに同意してくれた。これにはマジで感謝した!この時はこちら側の弁護士事務所のボスが直接説得してくれたらしい。

結局、娘は無事に引っ越しを終わらせて、翌週の月曜日にバークレーのシステムも復活して、ようやくコンプリーションを迎えました。

この5ヶ月間、何度ももう無理かもと思いましたが、家族全員で諦めずに一つ一つ問題を解決して、やっとこの日を迎える事ができて本当に良かった!

息子も続けて引っ越しして、とりあえずは仲良く同居しているようですが、まだまだこれから色々な問題が出てくるんだろうな〜

さっそく出てきたのは、床暖房がつかない問題でまだ解決していないのですが、不動産エージェントは連絡してもまたしても反応なし。かわりにGoogleの評価で5スターつけてね〜と言ってきた。

どの面下げて… と拳を握りしめてシカト返ししてやりました。

まだこれから印紙税を払ったり、Land Registryをかえたりしなければならないのに、今週こちら側の弁護士からの連絡は一切ないし、イギリスのサービスクオリティをまざまざと見せつけられた5ヶ月間でした。

もうこれでイギリス不動産に手を出すのはやめようと心に誓いました!

最後までお読みいただきありがとうありがとうございました♪

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